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ブレードランナーのロイを見送るとき、チャッピーは涙を流すのだろうか

Rest in peace, Rutger Hauer.

ルトガー・ハウアーが亡くなったの知ったのは、Facebookのタイムラインからだった。転職してからまもない7月の終わり頃。『ブレードランナー』で彼が演じた人造人間、ロイ・バッティが雨の中に佇む写真とともに「Rest in peace, Rutger Hauer」のコメントが残されていた。

「雨の中の涙のように。」

ロイのセリフだ。ブレードランナーの有名なワンシーンで、ファンなら誰でも知っている。詳しく知りたいなら、The RIVERのこちらの記事がわかりやすい。

「おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム、そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。死ぬ時が来た。」
(原文:I’ve seen things you people wouldn’t believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion. I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhäuser Gate. All those moments will be lost in time, like tears in rain. Time to die.)

まず、元になる脚本がすばらしかった。そこにルトガー・ハウアーのアイデアが加わったことでこのセリフとシーンが生まれた。

なぜか『チャッピー』のことを思い出した。

0歳児を模したAIを搭載したロボット・チャッピーが主人公の映画。寿命5日のチャッピーが、ヨハネスブルグのギャングに育てられるという話だ。

ストーリーのあらすじは公式サイトにもある。あまり情報は充実していないけど。

少しだけネタバレする。

ストーリーの途中で、チャッピーは母親がわりのギャング=ママの魂をデジタルデータ化する。「これがママだよ」と言って、ディスプレイにモノクロ映像を映し出す。そこには、グニャグニャしたフラクタルっぽい何かがうごめいている。ママの装着したヘッドギアから伸びたケーブルの先には、大量のプレステ4が並んでいた。

脳波を並列コンピューティングでデジタル処理をすると魂をデジタルデータに変換できる——。監督のニール・ブロムカンプはそんなふうにイメージしたのだろうか。

ストーリーが進むと、とあるきっかけでママは殺されてしまう。チャッピーはママを殺したヤツに怒りをぶつける。怒り、つまり心の動きだ。

ブレードランナーではレプリカントたちの生への渇望が描かれていた。ブレードランナーのレプリカント=人造人間は短命で、作られてから4-5年くらいしか生きることができない。レプリカントのロイは生き延びる方法を探すため、人間に反逆して地球にやってきた。生きたい、これも心の動きだ。

チャッピーもロイも、人間に作られた存在だ。そして、彼らには心がある。作品中ではそう描かれている。では、彼らは人間なのだろうか。

このあたりから、よくわからなくなってくる。人間を人間足らしめているモノは何なのだろう。タンパク質であることなのだろうか。もし、魂・意識をデジタルデータにできるなら、タンパク質であることは人間の条件ではないような気もする。

もし、チャッピーがロイの最後のセリフを聞いたとしたら、彼は何を思うのだろう。レプリカント・ロイの死を悲しむのだろうか。人間に対して怒るのだろうか。

そんなような気もするし、そうでないような気もする。

前回は脳から直接のコンピュータ操作について書いたので、今回は魂・意識のデジタルデータ化について書いた。つぎは何を書こうか。


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プロテインを買います。それか、ミニ四駆かガンプラを買います。

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どちらかというとインターネット老人会。
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